〜こころの定期便 2025.8.6〜
休職からの復職は、心身ともに大きなチャレンジです。
「本当に戻れるのか」「同じことが起きたらどうしよう」そんな不安を感じるのは自然なことです。ここでは、復職に向けて取り組むべき6つのポイントを紹介します。
① 日中の活動性を高めつつ、生活リズムを整える
体調を安定させるためには、「同じ時間に起きる・寝る」、「朝に光を浴びる」、「適度に体を動かす」といった基本的な生活リズムの確立が不可欠です。
特に「日中に読書や運動などの活動をする」「夜はしっかり休む」サイクルを作ることは、睡眠や気分の安定にもつながります。
仕事ではどうしても集中力や注意力を要するような作業に取り組まざるを得ません。このため、そういった作業ができる状態まで回復したか、読書をしたり、資格や語学の勉強をするなりして、その回復の程度を見極めましょう。1日通してある程度集中できるようになっていないと仕事をすることは難しいかもしれません。
また体を使うような仕事の人の場合には体力が重要になるでしょう。1日外にいても問題ない体力まで回復しているか確認しましょう。
② 気分の安定につながる行動をいくつか試し、実践してみる
読書、散歩、瞑想、日記を書く、アロマ、カフェ巡りなどなど何でも良いと思います。
復職後という疲れやすい場面でも取り組みやすいものが望ましいでしょう。
「これをやると気持ちが落ち着く」という行動を見つけ、それを少しずつ生活に取り入れましょう。そういった活動を通して、皆さんのレジリエンスが回復していくことでしょう。
③ 通勤訓練を行う
これは必ずしも必須というわけではないですが、休職前に会社に対する恐怖心が募った結果休職に至ったようなケースであったり、パニック発作のような症状が出ている方は行うことが望ましいでしょう。
復職前に「職場の最寄駅まで行ってみる」「職場周辺を散歩してみる」といった通勤に関するシミュレーションを行いましょう。
動悸や不安がコントロールできるくらいのレベルで治るかどうか、もしそれが強く出るようであれば、主治医と今後の治療法について相談してみても良いかもしれません。
④ 自分の業務の適性を振り返り、復職時の業務の希望を整理する
自分の業務適性としてどのような傾向があるのか、自分がどういった業務にストレスを感じやすいか、どんな業務であれば無理なく取り組めそうかをあらかじめ紙に書き出すなどして整理しておきましょう。
希望や懸念を整理しておくことで、職場との話し合いがスムーズになります。
⑤ 職場とコミュニケーションを取り、業務希望を伝える
久しぶりに職場とコミュニケーションを取ろうとするとドキドキしてしまって、うまく話せなかったということが多々あります。通勤訓練の時にも書いたように休職前に会社に対する恐怖心が募った結果休職に至ったようなケースでは特に起こりやすいでしょう。
休職満了期限直前にそういったことにならないように、予め人事や上長などとコミュニケーションをとって、自分の気持ちがどのように変化するか、理解しておきましょう。
そして、人事や上司、産業医と事前に面談し、希望の勤務時間や業務内容、配慮してほしい点などを伝えることが大切です。会社からのフィードバックで困ったことなどがあれば、主治医に相談するようにしてみてください。
⑥ 不調のサインとその対応策を明確にしておく
「こうなると体調が崩れるかも」という自分なりの不調のサインを把握しておくことは、再休職の予防にもつながります。
寝つきが悪くなる、朝起きられない、お風呂に入るのが面倒になる、食欲がなくなる、ゲームが楽しく無くなるなど、人によって様々でしょう。
そういったサインが出た場合には早めに通院するなどして、早期に回復できるように心がけるようにしてみてください。
🌱まとめ
上記の6つの取り組みは、円滑に復職するためのヒントです。
皆さんに必要な取り組みは他にもあるかもしれません。ぜひ主治医の先生と相談しながら、円滑な復職に向けて取り組んでみてください。
焦らず、一歩ずつ。
今日できることから少しずつ取り組んでいきましょう。
それではまた次週のブログでお目にかかりましょう。今週も皆様にとって素敵な1週間となりますように。