解離性障害

解離性障害は、幼少期の逆境体験や外傷体験などの強いストレスの影響を受けて、意識、記憶、情動、知覚の同一性のつながりが分断されるものです。
人間は辛すぎるエピソードを体験すると、意識、記憶、知覚などの同一性を断つことによって、自分があたかもそのストレスを受けていないかのようにストレスを処理することがあります。そういった状況が続くことで解離症状が固定化、顕在化していくことになります。
記憶の同一性が断たれた場合には解離性健忘といって記憶が保たれなくなる、体験の同一性が断たれた場合には離人症といって自分が体験している現実世界の感覚が損なわれることがあります。
そして人格の同一性が損なわれた場合がいわゆる多重人格という解離性同一性障害という状態になります。
基本的には心理療法を中心とした治療になります。治療者によってスタンスは異なりますが、安心できる環境の調整が重要であると認識していることは共通しているでしょう。また、解離するといった形でしか対処出来ない程のストレスを受けてきた自分のことを労るといった姿勢も重要だといえるでしょう。
いわゆるPTSDの症状としてのフラッシュバックが症状として辛いということであれば、フラッシュバックに対する対処法を学習するといったことも重要になってきます。また現実社会で生活スキルを色々と獲得していくということも重要になるでしょう。アサーティブなコミュニケーションが出来るようになることも必要になるでしょう。
なお、解離をメインのターゲットとして治療の中心に据えてしまうと却ってご本人の状態が悪くなってしまったり、何の治療をしているのか分かりにくくなってしまうことが少なくありません。将来の本人の希望や目標が何であるかを振り返りながら、治療を行っていくことが1番大切であると言えるでしょう。

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