統合失調症

統合失調症は、現実との接触の喪失、幻覚、妄想、思考や行動の統合不全、感情の平板化、認知機能の障害、そして社会的および職業的機能の低下を特徴とする精神疾患です。青年期から成人期初期に発症することが多く、世界的な有病率は約1%とされています。

幻覚(例: 存在しない声が聞こえる幻聴)や妄想(例: 被害妄想や誇大妄想)など、通常は存在しないものが現れる陽性症状、感情の平坦化や意欲の低下、社会的引きこもりなど、通常あるべき機能が減退する陰性症状、注意力や記憶力、判断力の低下などの認知機能障害などの症状が現れます。

統合失調症は人口の約1%が罹患するとされ、決してまれな病気ではありません。発症年齢は思春期から30歳前後が多く、男女差はほとんどありません。
治療の中心は抗精神病薬の使用で、症状の安定化や再発予防を目指します。近年では、陰性症状や認知機能障害の改善、副作用の軽減、社会復帰を促進する新たな薬剤や治療法が注目されています。
抗精神病薬では、眠くなる、頭が回りにくいといった鎮静作用による副作用、代謝機能に影響が出ることで体重増加といった副作用がみられることがありましたが、近年よく使用される抗精神病薬ではそういった副作用が少ないものも多くなっています。
また、今まで発売されていた抗精神病薬は陽性症状には効果がみられましたが、陰性症状や認知機能障害には十分な効果が得られていませんでした。近年よく使われるブレクスピプラゾールやルラシドンといった抗精神病薬ではこういった症状にも効果が示唆され、副作用も今までの抗精神病薬と比べると少ないことが多く、処方される頻度が増えてきています。
さらに、抗精神病薬による治療では内服治療がメインでしたが、貼付剤という剤型の治療薬や持効性注射剤による治療が選択される頻度が増えてきています。
いずれにしても、薬物治療は患者さんが希望される生活を整えるための手段に過ぎませんので、どのような社会生活を送っていただくか、その支援を行政の方や多職種で連携することが重要と言えましょう。

上尾駅徒歩2分

急患対応可能

TOPへ戻る