注意欠如多動症

不注意、多動性・衝動性を主徴とした神経発達症です。
お子さんの場合には、忘れ物や無くし物が多い、気が付くと授業中上の空になっている、気が散りやすいといった不注意症状、お友達が話しているのにかぶせて話し始めて話題をとってしまう、授業中離席してしまう、順番待ちが苦手でイライラしやすい、授業中手を挙げずに答えてしまうといった多動・衝動性の症状が見られます。大人の方の場合は多動性はお子さんの場合に比べて目立たなくなっていることが多いですが、仕事上ミスが多いといった不注意症状や不用意な発言をして上司や同僚とトラブルを起こしてしまう、職場で感情的に行動してしまうといった形で衝動性の症状が社会的な障害に繋がって医療機関に受診されることが多いです。
また、興味のあるものに対して過集中してしまう、逆に興味のないものは面倒くさがって後回しにしたり、やろうとしない、時間のマネジメントが難しく、締め切りや約束を守れない、物事の優先順位がつけられない、聴覚情報の処理が苦手で指示を1回で聞き取れなかったり、モレやヌケが多いといったこともよくみられます。
診断には幼少期の様子などの生活歴・現病歴の聴取に加えてWAIS/WISCといった知的水準を見るような心理検査、CAARS /CONNERSなどの心理検査を行うことがあります。
授業中離席をしてしまったり、友達に手を出してしまう、宿題などをやりたがろうとしないといった理由で叱られることが少なくなく、ご本人の自尊感情が傷つきやすい傾向があります。また、うつ病や不安障害、薬物やアルコールの依存などに繋がることも多いとされます。早期の介入でそういった併存疾患のリスクを減らすことが出来るとも言われますので、上記のような症状がみられる場合には医療機関に相談するようにしてみましょう。
治療としては薬物治療と環境調整が挙げられます。中枢神経刺激薬に分類されるコンサータ、ビバンセ(小児のみ)、非中枢神経刺激薬に分類されるストラテラ、インチュニブが日本で処方できる薬剤としては挙げられます。コンサータ、ビバンセは乱用のリスクがあるとされ、処方や流通管理が厳格に義務づけられています。ADHD適正流通管理システムに登録していない医師はコンサータやビバンセを処方することが出来ません。なお、コンサータ、ビバンセは当院では処方可能ですが、医師によっては処方出来ませんので、転院などでコンサータ、ビバンセの処方を希望される際は予め予約の際その旨問診票に記載するようにお願いします。
お子さんの場合には環境調整としては注意が逸れにくくするような環境を作る(先生の前で授業を受けるようにする、前方の席に座るようにしてお友達が視界に入ることで注意が逸れにくくするのを防ぐ)、プリント配りなどの役割を担ってもらうことで授業中動ける場面を作るといったことが挙げられるでしょう。またアラームを使ったりすることで過集中を防ぐ、面倒なことを先にする、面倒なことを分解して取り組みやすくするといったスキルを獲得してもらうことも大切になるでしょう。
大人の方の場合には、仕事上でミスを防ぐためにチェックリストを作る、口頭ではなくメールなど視覚で分かるような形で指示をもらうようにするといったことが重要になることが多いでしょう。

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