双極性障害

双極性障害は、多くの場合、何でも出来る気がする、多幸感といわれる幸せな気分に満ちあふれる感じがする(人によっては怒りっぽくなることもあります)、出費などが増える、活動性が高まる、色々なアイデアが思いつく、寝ないでも元気があるという、躁状態・軽躁状態とうつ状態とを交互に繰り返す病気です。
ご本人は躁状態、軽躁状態のときには元気なことが多いため、困り感がないことも多いのですが、人によっては勢いでマンションなどの不動産契約をしてしまう、キャバクラなどで一夜にして大金を費消してしまう、上司とケンカして、辞表をたたきつけて退職してしまうといったこともあり、ご家族がお困りになるケースが少なくありません。ご本人も躁状態・軽躁状態からうつ状態に変わったタイミングで大変なことをしてしまったと自責的になって、自殺企図などに繋がるリスクもあり、慎重なフォローが必要になります。
治療としては薬物療法と心理療法があります。
薬物療法としては炭酸リチウムやバルプロ酸ナトリウムといわれる気分を安定させる気分安定薬や脳の興奮のバランスを整えてくれる抗精神病薬を用いることが多いです。眠れない場合には睡眠導入剤が処方されることもあります。
心理療法としては、まず双極性障害についての理解を深めてもらうこと、内服の継続の重要性を理解してもらうことが重要になります。ご本人としては躁状態について色々出来て楽しい、過ごしやすい時間と理解しやすいのですが、先ほど述べたように濫費が見られたり、周囲とトラブルが起きてしまったりするため、必ずしも躁状態がご本人にとってプラスに働かないことを理解頂く必要があります。また、山高ければ谷深しで、躁状態での活動性が高くなりすぎると、その後のうつ状態が重度になりやすいため、躁状態で活動しすぎないように活動量をモニタリング出来るようになることが双極性障害の治療上大切になります。うつ状態、躁状態のサインを早めに見つけて医療者に相談することが出来るようになることも重要でしょう。
自殺のリスクはうつ病の患者さんよりも高いとされていますので、自殺のリスクの評価も治療上大切になります。自殺のリスクが高いときには一定期間保護的な環境下で入院頂くことが望ましい場合も少なくありません。

上尾駅徒歩2分

急患対応可能

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