境界性パーソナリティ障害

パーソナリティとは周囲の環境や自分自身について、知覚したり、思考したり、コミュニケーションをとったりする持続的なパターンで、広範囲の社会的及び個人的な状況において示されるものを指します。そして、このパターンが文化的な平均から著しく偏っていて、著しい苦痛や社会的機能の障害をもたらすものをパーソナリティ障害といいます。
境界性パーソナリティ障害は感情のコントロールの難しさ、それに伴って生じるコミュニケーション様式の偏りを中核症状とした疾患です。
交際相手などに別れられないようにものすごく努力をしたり、交際相手のことを理想の相手と褒め称えたと思ったら、一転してこき下ろすといった不安定な対人様式、自殺関連行動、気分が上がったり下がったりジェットコースターのように切り替わる、慢性的に空虚な気持ちに陥る、怒りの制御が難しいといった症状が典型的とされます。
境界性パーソナリティ障害というとネガティブなイメージを持たれがちですが、臨床上は発達特性の偏りがあるか、幼少期などに逆境体験があるか、もしくは不安障害と診断出来るレベルで不安が高いかのいずれかであることが多く、境界性パーソナリティ障害が主診断ということはあまりないように思います。
発達特性の偏りの場合には衝動性が高いことが少なくないため、衝動性をコントロール出来るような薬物療法を行うことで劇的に改善することも少なくありません。また不安の高さから周囲を振り回してしまうような行動をとっているという場合には、SSRIといわれる抗うつ薬や一部の抗精神病薬を使うことで情動が安定されるケースが多いでしょう。いわゆるPTSDと診断出来るような逆境体験がある場合にはそういった治療を行うことで改善出来ることが少なくありません。
ぜひ上記のような症状でお困りの方は受診を検討してみてください。

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