「復職した後の注意点ってどういうことがあるのでしょうか?」
外来などでもよく聞かれますので、少し考えてみたいと思います。
「また体調を崩したらどうしよう」「以前と同じように頑張れるだろうか」そんな気持ちになるのは、決して特別なことではありません。復職後も、心と体を守るためのケアはとても大切です。ここでは、復職後の生活を無理なく続けていくための6つのポイントを紹介します。
① 定期的な通院を継続する
復職できたからといって、すぐに通院を終えるのは避けましょう。仕事が再開すると、生活リズムの変化や新たなストレスによって、再び体調を崩してしまうことも少なくありません。
主治医に定期的に診てもらうことで、体調の小さな変化にも気づいてもらいやすくなります。また、不安や困りごとを相談できる場所があることは、心の安心感にもつながります。焦らず、医師と相談しながら、通院ペースを調整していきましょう。
② 焦らず、まずは「慣らし運転」から始める
復職したばかりの頃は、完璧に仕事をこなそうとせず、まずは職場の環境や業務に慣れることを優先しましょう。最初のうちは、簡単な作業から始める、短時間勤務を利用するなど、無理のない範囲で業務に取り組むことが大切です。上司や産業医と相談し、段階的に業務を増やしていくことも有効です。決して焦らず、「慣らし運転」の期間だと割り切って過ごしましょう。
③ 頼れる人を見つけておく
困ったときに相談できる人を見つけておくことは、大きな心の支えになります。職場の同僚、上司、産業医、そして家族や友人など、話を聞いてくれる人は誰でも構いません。すべてを一人で抱え込もうとせず、困りごとや不安を感じたら、早めに誰かに相談する習慣をつけましょう。話すことで気持ちが楽になり、解決策が見つかることもあります。
④ 睡眠時間を十分に確保する
仕事が始まると、どうしても睡眠時間が削られがちです。しかし、睡眠不足は心身の不調に直結します。仕事で疲れた日こそ、意識的に早めに床につき、しっかりと休むことが大切です。休職中に整えた生活リズムを崩さないよう、できる限り同じ時間に寝て、同じ時間に起きることを心がけましょう。
⑤ 休憩時間をうまく活用する
休憩時間も、仕事のうちだと考えて有効に使いましょう。休憩時間には、職場から少し離れて散歩をしたり、好きな音楽を聴いたり、マインドフルネス瞑想をするなど、心身をリフレッシュできる行動を取り入れるのがおすすめです。短時間でも気分転換になるような「自分だけの休憩方法」を見つけておくと、仕事のパフォーマンス維持にもつながります。
⑥ ストレスサインに早めに気づく
復職前に整理した「不調のサイン」を、復職後も忘れずにチェックしましょう。「なんだか眠れない」「食欲がない」「やる気が起きない」など、少しでもサインに気づいたら、無理せず早めに対処することが大切です。かかりつけ医に相談したり、気分転換の時間を取ったりして、サインが大きくなる前に手を打ちましょう。
🌱まとめ
復職はゴールではありません。ここからが、新しい自分らしい働き方を見つけるためのスタートです。
焦らず、一歩ずつ。今日できることから少しずつ取り組んでいきましょう。
それではまた次週のブログでお目にかかりましょう。今週も皆様にとって素敵な1週間となりますように。