不眠症では「なかなか眠りにつくことができない」、「眠りが浅くて熟睡ができない」、「何度も目が覚める」といった症状が見られます。
日本では5人に1人が悩んでいるとされていて、高齢者の方の場合、さらに増えるといわれます。原因としては 寝室の環境(明るさ、温度、騒音など)や睡眠スケジュール(就寝が遅い、不規則など)といった生活習慣や睡眠環境によるもの、身体的な要因によるもの(糖尿病や心臓病、呼吸器疾患)、内服薬の影響によるもの、睡眠疾患によるもの(睡眠時無呼吸症候群、レストレスレッグス症候群、周期性四肢運動障害など)、そしてストレスやうつ病・不安障害などのメンタルヘルス不調の症状として認められるものがあります。
不眠の原因になっているものを特定し、それを改善したり、治療することに努めます。睡眠時無呼吸症候群などの睡眠疾患が原因かどうかは睡眠外来などの専門外来に受診頂いて、ポリソムノグラフィー検査をして診断することになります。
ストレスが原因の場合には環境調整などを検討することになります。また、うつ病や不安障害などのメンタルヘルス不調に伴うものの場合には、原疾患であるうつ病や不安障害の治療が進む中で改善して行くことも多いですが、患者様の症状によっては睡眠導入剤が処方されることもあります。
睡眠導入剤は飲まない方が良い、といった話を聞いたこともあるかも知れません。以前日本ではベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤が多く処方されていました。継続して飲むことで効きにくくなったり、やめにくくなるという問題点があったのですが、最近はそういった問題を起こしにくい睡眠導入剤が発売され、処方されることが多くなってきています。
場合によっては、鎮静作用の強い抗うつ薬や抗精神病薬などが処方されることもあります。漢方を希望される患者様もおられます。
よく眠れなくて困っているという患者様はぜひご遠慮なくご相談ください。