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休職中の方へ〜復職したいと思えないときにどうしたら良いでしょうか〜

休職して少し時間が経ち、体は休まってきた。それなのに、「復職」という言葉を思い浮かべると、気持ちが重くなる、また働ける気がしない、あの職場に戻ることを考えると眠れなくなる——。

そんなふうに感じている方は、決して少なくありません。今回は、「復職したいと思えない」という気持ちについて、それがどういう状態なのか、どう考えていけばよいのかをお伝えします。

「復職したいと思えない」のは、あなたが弱いからではない

まず知っておいていただきたいのは、この気持ちは甘えでも怠けでもないということです。

メンタルの不調で休職した場合、回復にはいくつかの段階があります。一般的には、まず心身を休める「急性期」、少しずつ元気が戻ってくる「回復期」、そして復職に向けて準備する「復職準備期」という流れをたどります。

「体は休まったのに、復職を考えると気持ちが重い」という状態は、体力の回復と、心の回復・仕事への準備が整うタイミングにズレがあるために起こることがよくあります。体が回復しても、まだ心が「仕事モード」に戻る準備ができていないだけかもしれません。順番として自然なことで、あなたに問題があるわけではありません。

「思えない」の背景に何があるかを考える

「復職したいと思えない」と一口に言っても、その背景はさまざまです。どれに近いかを考えてみると、次にすべきことが見えてきます。

① まだ回復の途中にある

気力が湧かない、何も考えたくない、という状態であれば、まだ十分に回復しきっていない可能性があります。この段階で復職を考えると気が重くなるのは当然で、まずは焦らず休養を続けることが優先されます。

② 回復はしてきたが、職場そのものへの不安がある

体調は戻ってきたのに 「あの職場に戻る」ことを考えると憂うつになる場合、不調の原因が職場環境(人間関係・業務量・ハラスメントなど)にあった可能性があります。この場合、単に休んで回復するだけでは解決せず、復職の「条件」を考える必要があります。

③ 復職への「自信」が持てない

「また同じように潰れてしまうのではないか」「以前のように働けないのではないか」という不安から、復職に踏み出せないこともあります。これは回復の過程でよく見られる感覚で、段階的な準備によって少しずつ和らげていくことができます。

焦らないことが、いちばんの近道

復職について、多くの方が 「早く戻らなければ」と焦ります。周囲に迷惑をかけている、職場に居場所がなくなるかもしれない、収入が心配、といった気持ちからです。

しかし、回復しきらないまま復職を急ぐと、再発してしまうリスクが高まります。うつ病などは、一度復職しても、準備が不十分だと再び休職に至ることが少なくありません。そうなると、かえって回復までの時間が長くなってしまいます。

「早く戻ること」より「安定して働き続けられる状態で戻ること」の方が、長い目で見れば大切です。焦って戻って再発を繰り返すより、しっかり準備してから戻る方が、結果的に早い回復につながります。「復職したいと思えない」という気持ちは、「まだ準備が整っていませんよ」という心のサインとして受け取ることもできます。

復職の準備は段階的に進められる

「復職=いきなりフルタイムで元の職場に戻る」と考えると、ハードルが高く感じられます。しかし実際には、復職はいくつかの段階を踏んで進めることができます。

生活リズムを整える

まずは、決まった時間に起きて、日中活動し、夜に眠るという生活リズムを取り戻すことが第一歩です。生活記録表(毎日の起床・就寝・活動を記録するもの)をつけると、回復の状態が見える化でき、復職の判断材料にもなります。この方法は専門家の間でも有用性が認められています。

リワークプログラムを活用する

リワーク(return to work)は、復職を目指す方のための専門的なプログラムです。医療機関や地域障害者職業センターなどで実施されており、生活リズムの回復に加えて、ストレスへの対処法・認知行動療法・作業を通じた集中力や体力の回復などに取り組みます。一定期間、継続して通えることそのものが、復職への準備が整ってきた客観的な証拠にもなります。

復職の「条件」を職場と相談する

不調の原因が職場環境にあった場合、同じ環境にそのまま戻れば、また同じことが起こりかねません。時短勤務からの復帰・業務内容の調整・配置転換・ハラスメント対応など、どういう条件なら安定して働けるかを、主治医や産業医、職場と相談していくことが大切です。産業医面談は、こうした働き方の調整を話し合う場でもあります。

「戻らない」という選択肢について

ここまで復職の準備についてお伝えしてきましたが、一方で、元の職場に戻ることだけが唯一の答えではない、ということも、お伝えしておきたいと思います。

職場環境が明らかに健康を損なうものであった場合、転職や部署異動といった選択肢を考えることも、決して逃げではありません。ただし、これは回復してから、冷静に判断できる状態で考えるべきことです。

不調の渦中にあるとき、退職や転職といった大きな決断をするのは避けた方がよいとされています。気力や判断力が落ちている状態では、後で後悔する決断をしやすいためです。まずは回復を優先し、「復職するか・別の道を選ぶか」は、心が落ち着いてから考えても遅くありません。今すぐ結論を出す必要はないのです。

まとめ

「復職したいと思えない」という気持ちは、甘えではなく、回復の途中や職場への不安から自然に生じるものです。体の回復と心の準備にはズレがあり、焦って戻るとかえって再発のリスクが高まります。復職は段階的に準備でき、生活リズムを整える・リワークを活用する・働き方の条件を相談する、といった方法があります。また、元の職場に戻ることだけが答えではありませんが、大きな決断は回復してから考えれば大丈夫です。今は「思えない」ことを責めず、回復を優先してください。

「復職について考えると不安になる」「自分がどの段階にいるのかわからない」という方は、一人で抱え込まず、ご相談ください。あなたの回復の状態に合わせて、次の一歩を一緒に考えます。


当院(上尾の森診療所 上尾駅前分院)では、休職中の方の療養・復職に関するご相談をお受けしています。復職のタイミングや働き方の調整について、主治医の立場からサポートします。

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休職中の方へ〜復職したいと思えないときにどうしたら良いでしょうか〜

休職して少し時間が経ち、体は休まってきた。それなのに、「復職」という言葉を思い浮かべると、気持ちが重くなる、また働ける気がしない、あの職場に戻ることを考えると眠れなくなる——。

そんなふうに感じている方は、決して少なくありません。今回は、「復職したいと思えない」という気持ちについて、それがどういう状態なのか、どう考えていけばよいのかをお伝えします。

「復職したいと思えない」のは、あなたが弱いからではない

まず知っておいていただきたいのは、この気持ちは甘えでも怠けでもないということです。

メンタルの不調で休職した場合、回復にはいくつかの段階があります。一般的には、まず心身を休める「急性期」、少しずつ元気が戻ってくる「回復期」、そして復職に向けて準備する「復職準備期」という流れをたどります。

「体は休まったのに、復職を考えると気持ちが重い」という状態は、体力の回復と、心の回復・仕事への準備が整うタイミングにズレがあるために起こることがよくあります。体が回復しても、まだ心が「仕事モード」に戻る準備ができていないだけかもしれません。順番として自然なことで、あなたに問題があるわけではありません。

「思えない」の背景に何があるかを考える

「復職したいと思えない」と一口に言っても、その背景はさまざまです。どれに近いかを考えてみると、次にすべきことが見えてきます。

① まだ回復の途中にある

気力が湧かない、何も考えたくない、という状態であれば、まだ十分に回復しきっていない可能性があります。この段階で復職を考えると気が重くなるのは当然で、まずは焦らず休養を続けることが優先されます。

② 回復はしてきたが、職場そのものへの不安がある

体調は戻ってきたのに 「あの職場に戻る」ことを考えると憂うつになる場合、不調の原因が職場環境(人間関係・業務量・ハラスメントなど)にあった可能性があります。この場合、単に休んで回復するだけでは解決せず、復職の「条件」を考える必要があります。

③ 復職への「自信」が持てない

「また同じように潰れてしまうのではないか」「以前のように働けないのではないか」という不安から、復職に踏み出せないこともあります。これは回復の過程でよく見られる感覚で、段階的な準備によって少しずつ和らげていくことができます。

焦らないことが、いちばんの近道

復職について、多くの方が 「早く戻らなければ」と焦ります。周囲に迷惑をかけている、職場に居場所がなくなるかもしれない、収入が心配、といった気持ちからです。

しかし、回復しきらないまま復職を急ぐと、再発してしまうリスクが高まります。うつ病などは、一度復職しても、準備が不十分だと再び休職に至ることが少なくありません。そうなると、かえって回復までの時間が長くなってしまいます。

「早く戻ること」より「安定して働き続けられる状態で戻ること」の方が、長い目で見れば大切です。焦って戻って再発を繰り返すより、しっかり準備してから戻る方が、結果的に早い回復につながります。「復職したいと思えない」という気持ちは、「まだ準備が整っていませんよ」という心のサインとして受け取ることもできます。

復職の準備は段階的に進められる

「復職=いきなりフルタイムで元の職場に戻る」と考えると、ハードルが高く感じられます。しかし実際には、復職はいくつかの段階を踏んで進めることができます。

生活リズムを整える

まずは、決まった時間に起きて、日中活動し、夜に眠るという生活リズムを取り戻すことが第一歩です。生活記録表(毎日の起床・就寝・活動を記録するもの)をつけると、回復の状態が見える化でき、復職の判断材料にもなります。この方法は専門家の間でも有用性が認められています。

リワークプログラムを活用する

リワーク(return to work)は、復職を目指す方のための専門的なプログラムです。医療機関や地域障害者職業センターなどで実施されており、生活リズムの回復に加えて、ストレスへの対処法・認知行動療法・作業を通じた集中力や体力の回復などに取り組みます。一定期間、継続して通えることそのものが、復職への準備が整ってきた客観的な証拠にもなります。

復職の「条件」を職場と相談する

不調の原因が職場環境にあった場合、同じ環境にそのまま戻れば、また同じことが起こりかねません。時短勤務からの復帰・業務内容の調整・配置転換・ハラスメント対応など、どういう条件なら安定して働けるかを、主治医や産業医、職場と相談していくことが大切です。産業医面談は、こうした働き方の調整を話し合う場でもあります。

「戻らない」という選択肢について

ここまで復職の準備についてお伝えしてきましたが、一方で、元の職場に戻ることだけが唯一の答えではない、ということも、お伝えしておきたいと思います。

職場環境が明らかに健康を損なうものであった場合、転職や部署異動といった選択肢を考えることも、決して逃げではありません。ただし、これは回復してから、冷静に判断できる状態で考えるべきことです。

不調の渦中にあるとき、退職や転職といった大きな決断をするのは避けた方がよいとされています。気力や判断力が落ちている状態では、後で後悔する決断をしやすいためです。まずは回復を優先し、「復職するか・別の道を選ぶか」は、心が落ち着いてから考えても遅くありません。今すぐ結論を出す必要はないのです。

まとめ

「復職したいと思えない」という気持ちは、甘えではなく、回復の途中や職場への不安から自然に生じるものです。体の回復と心の準備にはズレがあり、焦って戻るとかえって再発のリスクが高まります。復職は段階的に準備でき、生活リズムを整える・リワークを活用する・働き方の条件を相談する、といった方法があります。また、元の職場に戻ることだけが答えではありませんが、大きな決断は回復してから考えれば大丈夫です。今は「思えない」ことを責めず、回復を優先してください。

「復職について考えると不安になる」「自分がどの段階にいるのかわからない」という方は、一人で抱え込まず、ご相談ください。あなたの回復の状態に合わせて、次の一歩を一緒に考えます。


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