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夏休み明けに学校に行きたくないと言われたら

夏休みが終わりに近づくこの時期、お子さんが「学校に行きたくない」と口にしたり、朝になるとお腹が痛いと言い出したり、なんとなく元気がなくなったりしていませんか。

保護者としては、どう受け止めればいいのか、背中を押すべきなのか休ませるべきなのか、迷われることと思います。今回は、夏休み明けに学校へ行きづらくなるお子さんについて、この時期に知っておいていただきたいことをお伝えします。

この時期は、子どもの心身の負担が高まりやすい

長期休み明けは、子どもの心身の負担が高まりやすく、特に注意して見守りたい時期のひとつです。

厚生労働省と警察庁の統計では、2025年に自ら命を絶った小中高生は538人で、統計のある1980年以降で最も多くなりました。月別では、二学期が始まる9月が最も多くなっています。文部科学省も、長期休業明けの前後にこうしたリスクが高まるとして、学校や家庭に見守りの強化を呼びかけています。

「9月1日問題」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。実際、過去の統計では8月後半から子どもの自殺が増え、9月1日前後に多くなる傾向が確認されています。ただし、学校が始まる日は地域によって異なります(北海道・東北などでは夏休み明けが早く、増加する時期も2週間ほど早い傾向があります)。大切なのは9月1日という一日だけを警戒することではなく、夏休みが終わる前から学校再開後しばらくまでを、子どもの変化に注意したい時期として捉えることです。

また、不登校の小中学生は約35万4千人と過去最多で、12年連続で増加しています。小中学生全体では約26人に1人にあたり、珍しいことではありません。

「行きたくない」を、まず決めつけない

大切なのは、この訴えを「怠け」や「甘え」と決めつけないことです。

子どもは、自分の苦しさを言葉で説明することが苦手です。「助けて」とは言えず、「学校に行きたくない」「お腹が痛い」といった形でしか表現できないことがあります。

そして、本人にも「なぜ行けないのかわからない」ということがあります。原因を一つに決めようとせず、学校での出来事・対人関係・学習面・体調・睡眠・発達特性などを、少しずつ整理していくことが大切です。

朝の腹痛・頭痛・吐き気・立ちくらみといった体の症状も、仮病ではありません。心理的な負担は実際に体の症状として現れます。また、起立性調節障害のように、朝に強い不調が出る体の病気が背景にあることもあります。「気持ちの問題でしょ」と決めつけず、体の症状としても受け止めてください。

気づいておきたいサイン

子どものSOSは、言葉よりも行動や体調の変化として現れることが多いものです。次のような変化に気づいたら、注意深く見守ってあげてください。

  • 朝起きられない、起こしても布団から出られない
  • 腹痛・頭痛・吐き気を訴える(特に平日の朝に多い)
  • 食欲が落ちた、眠れていない、逆に寝すぎている
  • 学校や友だちの話をしなくなった
  • 好きだったことに興味を示さなくなった
  • イライラして暴言を吐く、逆に極端に無口になった
  • スマホやゲームの時間が急に増え、睡眠や食事など生活リズムにも影響が出ている
  • 「疲れた」「どうでもいい」「消えたい」といった言葉が出る

行かせるべきか、休ませるべきか

これが最も迷うところだと思います。

結論から言えば、強い不安や体調不良がある子どもを、無理に登校させる必要はありません。心が限界に近いときに無理をさせると、かえって状態が悪化したり、その後の登校がより難しくなったりすることがあります。

一方で、「行くか、完全に休むか」の二択にする必要もありません。本人の状態によっては、遅れて行く・1時間だけ行く・保健室や相談室で過ごす・オンラインでつながるなど、中間の選択肢が役立つことがあります。

大切なのは「今日学校へ行けたか」だけではなく、今この子に何が起きているのかを知り、その子に合った学校とのつながり方を考えることです。

文部科学省も、不登校の支援について「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、子どもが自らの進路を主体的に捉え、社会的に自立することを目指すという考え方を示しています。

一日休むことで今後が決まってしまうわけではありません。まずは心と体を守り、そのうえで本人に合った学校とのつながり方や学び方を、一緒に考えていきましょう。

どう話を聴けばいいか

「どうして行きたくないの」と理由を問い詰めると、子どもは答えられずに黙ってしまうことがあります。前述のとおり、理由が自分でもわからないことも多いのです。

おすすめしたいのは、次のような順番で声をかけることです。

① 気づいたことを、そのまま伝える

「最近、朝つらそうに見えるけど、どう?」というように、責めるのではなく、見えている事実を伝えます。

② 気持ちを受け止める

「そうだったんだね」「それはつらかったね」「話してくれてありがとう」と、まず気持ちを受け止めます。アドバイスや励ましは、この段階では不要です。

③ 選択肢を一緒に考える

「一緒に考えよう。普通に行く、遅れて行く、保健室に行く、今日は休む。どれがよさそう?」というように、いくつかの選択肢を示します。全か無かではなく、その中間があることを伝えるだけでも、子どもの気持ちは楽になります。

「今は話したくない」と言われたら、無理に聞き出す必要はありません。「話したくなったらいつでも聞くよ」と伝えておくだけでも十分です。話せる状態になるまで待つことも、大切な関わりです。

学校を休むことになったら

休むことになった場合、「出席日数が足りなくなるのでは」「勉強が遅れてしまうのでは」と心配される方も多いと思います。

文部科学省の制度では、不登校の子どもがフリースクールなどの学校外の施設や、自宅でのICT学習を利用した場合、一定の条件のもとで指導要録上の出席として認められることがあります。欠席中の学習成果を成績評価に反映できることも明確化されています。すべての学校で同じ対応というわけではありませんが、担任の先生や教育委員会に相談することで活用できる場合があります。

つまり、休んだら学習がすべて止まってしまうわけではありません。また、学校にはスクールカウンセラーが配置されていることが多く、子どもだけでなく保護者の相談にも応じています。担任の先生に相談しにくい場合でも、こうした窓口を利用できます。

医療機関に相談する目安

特に急いで相談してほしいサイン

  • 「死にたい」「消えたい」という言葉が繰り返し出る
  • 自分を傷つける行為がある
  • 自ら命を絶つことについて、具体的に話したり準備をしている様子がある
  • 安全を保つことが難しいと感じる

こうした場合は、ためらわずに医療機関や下記の相談窓口にご連絡ください。

早めに相談したいサイン

  • 食事や睡眠が大きく乱れている状態が続いている
  • 体の症状(腹痛・頭痛・吐き気など)が続き、日常生活に支障が出ている
  • 気分の落ち込みが強く、以前楽しめていたことも楽しめない
  • 保護者だけでは対応が難しいと感じている

背景に、うつ状態・不安症・発達特性・起立性調節障害などが関わっていることもあります。それらが見つかれば、対応の方法も見えてきます。

相談できる窓口

学校や家庭以外にも、相談できる場所があります。お子さん本人も、保護者の方も利用できます。

24時間子供SOSダイヤル(文部科学省)/0120-0-78310(なやみいおう)/24時間・365日・通話料無料。子ども本人だけでなく、保護者からも相談できます。

#いのちSOS(自殺対策支援センターライフリンク)/0120-061-338/通話料無料。

よりそいホットライン/0120-279-338/24時間・365日・通話料無料。年齢・性別を問わず、どなたでも相談できます。

電話が苦手なお子さんには、SNSやチャットで相談できる窓口もあります。厚生労働省の「まもろうよこころ」のサイトで、さまざまな相談先が案内されています。相談員との相性が合わないと感じた場合は、別の窓口を試してみてください。どこかの支援につながっていることが大切です。

保護者の方へ

お子さんが学校に行けなくなると、保護者の方も強い不安と孤立を感じます。「自分の育て方が悪かったのでは」と自分を責めてしまう方も少なくありません。

お子さんが学校に行けなくなることは、保護者の責任ではありません。そして、保護者の方が一人で抱え込む必要もありません。

保護者が疲れ切ってしまうと、子どもの変化を受け止める余裕もなくなります。保護者自身が相談することも、子どもを支えるための大切な方法です。

まとめ

長期休み明けの前後は、子どもの心身の負担が高まりやすい時期です。「学校に行きたくない」という訴えや朝の体調不良を、怠けや仮病と決めつけないでください。本人にも理由がわからないことがあります。強い不安や体調不良があるときに無理に登校させる必要はありませんが、「行くか休むか」の二択にする必要もありません。遅れて行く、短時間だけ行く、別室で過ごすなど、中間の選択肢もあります。急いで学校に行かせるか休ませるかを決めるより、まず何がつらいのかを一緒に整理していきましょう。「消えたい」といった言葉や自分を傷つける行為がある場合は、ためらわずご相談ください。保護者の方も、一人で抱え込まないでください。

「うちの子、大丈夫だろうか」と感じている方は、お気軽にご相談ください。お子さんの状態を確認しながら、これからどうしていくかを一緒に考えます。


当院(上尾の森診療所 上尾駅前分院)では、お子さんの不登校・登校しぶり、気分や体調の不調についてのご相談をお受けしています。保護者の方だけのご相談も可能です。

上尾駅から徒歩2分、平日夜21時まで診療しています。WEB予約・お電話でのご予約はトップページよりご確認ください。

上尾駅徒歩2分

急患対応可能

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夏休み明けに学校に行きたくないと言われたら

夏休みが終わりに近づくこの時期、お子さんが「学校に行きたくない」と口にしたり、朝になるとお腹が痛いと言い出したり、なんとなく元気がなくなったりしていませんか。

保護者としては、どう受け止めればいいのか、背中を押すべきなのか休ませるべきなのか、迷われることと思います。今回は、夏休み明けに学校へ行きづらくなるお子さんについて、この時期に知っておいていただきたいことをお伝えします。

この時期は、子どもの心身の負担が高まりやすい

長期休み明けは、子どもの心身の負担が高まりやすく、特に注意して見守りたい時期のひとつです。

厚生労働省と警察庁の統計では、2025年に自ら命を絶った小中高生は538人で、統計のある1980年以降で最も多くなりました。月別では、二学期が始まる9月が最も多くなっています。文部科学省も、長期休業明けの前後にこうしたリスクが高まるとして、学校や家庭に見守りの強化を呼びかけています。

「9月1日問題」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。実際、過去の統計では8月後半から子どもの自殺が増え、9月1日前後に多くなる傾向が確認されています。ただし、学校が始まる日は地域によって異なります(北海道・東北などでは夏休み明けが早く、増加する時期も2週間ほど早い傾向があります)。大切なのは9月1日という一日だけを警戒することではなく、夏休みが終わる前から学校再開後しばらくまでを、子どもの変化に注意したい時期として捉えることです。

また、不登校の小中学生は約35万4千人と過去最多で、12年連続で増加しています。小中学生全体では約26人に1人にあたり、珍しいことではありません。

「行きたくない」を、まず決めつけない

大切なのは、この訴えを「怠け」や「甘え」と決めつけないことです。

子どもは、自分の苦しさを言葉で説明することが苦手です。「助けて」とは言えず、「学校に行きたくない」「お腹が痛い」といった形でしか表現できないことがあります。

そして、本人にも「なぜ行けないのかわからない」ということがあります。原因を一つに決めようとせず、学校での出来事・対人関係・学習面・体調・睡眠・発達特性などを、少しずつ整理していくことが大切です。

朝の腹痛・頭痛・吐き気・立ちくらみといった体の症状も、仮病ではありません。心理的な負担は実際に体の症状として現れます。また、起立性調節障害のように、朝に強い不調が出る体の病気が背景にあることもあります。「気持ちの問題でしょ」と決めつけず、体の症状としても受け止めてください。

気づいておきたいサイン

子どものSOSは、言葉よりも行動や体調の変化として現れることが多いものです。次のような変化に気づいたら、注意深く見守ってあげてください。

行かせるべきか、休ませるべきか

これが最も迷うところだと思います。

結論から言えば、強い不安や体調不良がある子どもを、無理に登校させる必要はありません。心が限界に近いときに無理をさせると、かえって状態が悪化したり、その後の登校がより難しくなったりすることがあります。

一方で、「行くか、完全に休むか」の二択にする必要もありません。本人の状態によっては、遅れて行く・1時間だけ行く・保健室や相談室で過ごす・オンラインでつながるなど、中間の選択肢が役立つことがあります。

大切なのは「今日学校へ行けたか」だけではなく、今この子に何が起きているのかを知り、その子に合った学校とのつながり方を考えることです。

文部科学省も、不登校の支援について「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、子どもが自らの進路を主体的に捉え、社会的に自立することを目指すという考え方を示しています。

一日休むことで今後が決まってしまうわけではありません。まずは心と体を守り、そのうえで本人に合った学校とのつながり方や学び方を、一緒に考えていきましょう。

どう話を聴けばいいか

「どうして行きたくないの」と理由を問い詰めると、子どもは答えられずに黙ってしまうことがあります。前述のとおり、理由が自分でもわからないことも多いのです。

おすすめしたいのは、次のような順番で声をかけることです。

① 気づいたことを、そのまま伝える

「最近、朝つらそうに見えるけど、どう?」というように、責めるのではなく、見えている事実を伝えます。

② 気持ちを受け止める

「そうだったんだね」「それはつらかったね」「話してくれてありがとう」と、まず気持ちを受け止めます。アドバイスや励ましは、この段階では不要です。

③ 選択肢を一緒に考える

「一緒に考えよう。普通に行く、遅れて行く、保健室に行く、今日は休む。どれがよさそう?」というように、いくつかの選択肢を示します。全か無かではなく、その中間があることを伝えるだけでも、子どもの気持ちは楽になります。

「今は話したくない」と言われたら、無理に聞き出す必要はありません。「話したくなったらいつでも聞くよ」と伝えておくだけでも十分です。話せる状態になるまで待つことも、大切な関わりです。

学校を休むことになったら

休むことになった場合、「出席日数が足りなくなるのでは」「勉強が遅れてしまうのでは」と心配される方も多いと思います。

文部科学省の制度では、不登校の子どもがフリースクールなどの学校外の施設や、自宅でのICT学習を利用した場合、一定の条件のもとで指導要録上の出席として認められることがあります。欠席中の学習成果を成績評価に反映できることも明確化されています。すべての学校で同じ対応というわけではありませんが、担任の先生や教育委員会に相談することで活用できる場合があります。

つまり、休んだら学習がすべて止まってしまうわけではありません。また、学校にはスクールカウンセラーが配置されていることが多く、子どもだけでなく保護者の相談にも応じています。担任の先生に相談しにくい場合でも、こうした窓口を利用できます。

医療機関に相談する目安

特に急いで相談してほしいサイン

こうした場合は、ためらわずに医療機関や下記の相談窓口にご連絡ください。

早めに相談したいサイン

背景に、うつ状態・不安症・発達特性・起立性調節障害などが関わっていることもあります。それらが見つかれば、対応の方法も見えてきます。

相談できる窓口

学校や家庭以外にも、相談できる場所があります。お子さん本人も、保護者の方も利用できます。

24時間子供SOSダイヤル(文部科学省)/0120-0-78310(なやみいおう)/24時間・365日・通話料無料。子ども本人だけでなく、保護者からも相談できます。

#いのちSOS(自殺対策支援センターライフリンク)/0120-061-338/通話料無料。

よりそいホットライン/0120-279-338/24時間・365日・通話料無料。年齢・性別を問わず、どなたでも相談できます。

電話が苦手なお子さんには、SNSやチャットで相談できる窓口もあります。厚生労働省の「まもろうよこころ」のサイトで、さまざまな相談先が案内されています。相談員との相性が合わないと感じた場合は、別の窓口を試してみてください。どこかの支援につながっていることが大切です。

保護者の方へ

お子さんが学校に行けなくなると、保護者の方も強い不安と孤立を感じます。「自分の育て方が悪かったのでは」と自分を責めてしまう方も少なくありません。

お子さんが学校に行けなくなることは、保護者の責任ではありません。そして、保護者の方が一人で抱え込む必要もありません。

保護者が疲れ切ってしまうと、子どもの変化を受け止める余裕もなくなります。保護者自身が相談することも、子どもを支えるための大切な方法です。

まとめ

長期休み明けの前後は、子どもの心身の負担が高まりやすい時期です。「学校に行きたくない」という訴えや朝の体調不良を、怠けや仮病と決めつけないでください。本人にも理由がわからないことがあります。強い不安や体調不良があるときに無理に登校させる必要はありませんが、「行くか休むか」の二択にする必要もありません。遅れて行く、短時間だけ行く、別室で過ごすなど、中間の選択肢もあります。急いで学校に行かせるか休ませるかを決めるより、まず何がつらいのかを一緒に整理していきましょう。「消えたい」といった言葉や自分を傷つける行為がある場合は、ためらわずご相談ください。保護者の方も、一人で抱え込まないでください。

「うちの子、大丈夫だろうか」と感じている方は、お気軽にご相談ください。お子さんの状態を確認しながら、これからどうしていくかを一緒に考えます。


当院(上尾の森診療所 上尾駅前分院)では、お子さんの不登校・登校しぶり、気分や体調の不調についてのご相談をお受けしています。保護者の方だけのご相談も可能です。

上尾駅から徒歩2分、平日夜21時まで診療しています。WEB予約・お電話でのご予約はトップページよりご確認ください。